リジュセアミニ点眼薬0.025%
当院では小児期における近視の進行抑制を目的とした点眼治療を行っております。
リジュセアミニ点眼薬は、参天製薬がシンガポール国立眼科・視覚研究所であるシンガポールアイリサーチインスティテュート(SERI)と共同開発した、アトロピンを0.025%含有した点眼薬です。
日本で初めて「小児近視進行抑制」を効能・効果として承認された点眼薬で、3年間の治験では日本人の5〜15歳の小児約300人を対象に実施され、36カ月の投与による効果が確認されました。

なぜ近視の進行を抑制することが大切なのか
子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれ生じるケースが多くあります。近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることはありません。そのために眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。
強度な近視は、黄斑変性症、網膜剥離、または緑内障などの回復不可能な視力障害に発展する可能性もあるといわれています。

低濃度アトロピンが選ばれる理由
「低濃度アトロピン点眼薬(アトロピン配合)」は、近視の進行を遅らせる(眼軸長の進展を抑制する)という点で統計的にも臨床的にも有意義な効果が得られるとされる治療法です。
アトロピン1%点眼薬は1960年から、すでに近視治療に使用され続けていましたが、下記のような不快な副作用が引き起こされていました。
- 瞳孔がひらき続けることによる、まぶしさと強い光による不快感や目の痛み
- 目の遠近調節機能(手元を見る作業)が低下し、近くの物がぼやけて見え、読み書き等近くを見る必要がある作業が困難になる
- アレルギー性結膜炎及び皮膚炎
しかしながら、「低濃度アトロピン点眼薬」は、超低濃度(0.01%および0.025%)のアトロピンを点眼することにより、近視の進行スピードを効果的に抑えると同時にアトロピン1%点眼薬のような不快な副作用を回避できるよう開発されました。
低濃度アトロピン点眼薬の副作用
主な副作用は、羞明(5%以上)
問題となる副作用はほとんどないことがわかっています。
低濃度アトロピンの副作用は、アトロピンの散瞳効果と調節麻痺効果によるしまぶしさ(羞明)と手元のぼやけがありますので、必ず就寝前に点眼するようにしてください。しかし、濃度が低いため程度は軽く、長時間続かないため、寝る前に使用すれば日中への影響は少ないことがわかっています。
リジュセアミニ点眼液の国内治験の結果では、9.0%(11/122 例)の子が羞明を訴えました。また、一部の子にアレルギー性結膜炎によるかゆみがでることがわかっています。点眼後、まぶしく見えたり、一時的に目がかすんだりすることがあります。
低濃度アトロピンの特徴
- 国内治験の結果から 日本人で近視の進行抑制が確認されています。
- 毎日必ず就寝前に1滴点眼する治療法です。
- 副作用が非常に少ない近視進行抑制薬といわれています。
- 日本で初めて 厚生労働省から製造販売の承認を受けております。
- 防腐剤を含まない 1回使い切り容器で、衛生的かつ取り扱いが容易です。
治療対象
5歳以上で軽度または中程度の近視の方
5歳以上で軽度または中程度の近視の方近視は遺伝性疾患であることが多く、未然に予防する方法はありません。
一番肝心なことは、お子様がテレビを見たり、何かを書く時に遠くの物が見づらいなどの症状を訴えた時に、ご両親が極力早く気付いてあげることです。
時折、遠くにある道路標識をお子様に読ませたり、本などを遠ざけて遠くの文字や物がはっきり見えるかどうか聞いてあげて下さい。お子様がこれらを鮮明に見ることが困難な場合、何らかの処置を講じる必要があります。

処方の流れ
まずは、当院までご相談ください。
お子様の視力や目の状態を検査・診察します。
診察後、ご希望の方のみ初回処方します。
1ヶ月後(お試し期間)に目の状態をチェック(検査・診察)
2ヶ月後に再診察(検査)
その後は3カ月毎に再診察(検査)
費用について
リジュセアミニ点眼薬0.025%の治療は自由診療です。
初回は保険診療です。近視の度数等を確認させていただきますので、保険証や医療券をお持ちください。
後日、点眼薬が処方されます。以降は自由診療となりますので健康保険や医療費助成制度は適応されません。
治療費用(税込)
検査・薬剤費用は全て自由診療(公的医療保険の対象外)となります。
| 初回 | 保険診療になります。治療が開始できるかどうかの判断をします。 |
|---|---|
| 2回目 (初回検査の翌日以降) |
合計:7,680円 (内訳:診察・検査費用(3,300円)+点眼薬費用(4,380円/30本)) |
| 3回目 (2回目から1ヶ月後) |
合計:12,060円 (内訳:診察・検査費用(3,300円)+点眼薬費用(8,760円/60本)) |
| 4回目 (3回目から2ヶ月後) |
合計:16,440円 (内訳:診察・検査費用(3,300円)+点眼薬費用(13,140円/90本)) |
※5回目の治療以降は3ヶ月毎の定期的な通院が必要です。診察・検査費用(3,300円)及び点眼薬費用(90日分 13,140円)が必要となります。
※費用はすべて税込みの金額となっております。
注意事項
- リジュセアミニ処方は自由診療となりますので、近視進行抑制以外の診察は別の日に受診していただくことになります。
自費診療と保険診療は同日に行うことができない規則がございますため、何卒ご了承お願いいたします。 - 患者さんの都合で治療が中断になる場合の返金はいたしかねます。
- リジュセアミニを点眼することで近視の進行が完全に止まるわけではありませんが、少なくとも2年間継続して使用することで、何も治療しないことと比べると軽減できたという報告を基にしています。
- 低濃度アトロピンの治療は全て自由診療ですが、他の眼疾患や眼鏡矯正が必要である場合がありますので、念のため保険証や医療券をお持ちください。
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